保活は厳しい、簡単には保育園に入れない、妊娠中から保活を始めるなんて噂では聞いていたし、実際に夫婦ともに正社員であっても育休明けに保育園に入れられないなんて話も身近で聞いてはいたけど、自分が体験するまでどこか他人事のように思っていた。
保育園入れるのって大変なんだなぁ、専業主婦だし保育園は入れないだろうなって思っていたけど、育児ってそんなに甘くない。
妊娠から出産後こんなにも生活は変わってしまうものなのか、いまどき専業主婦じゃやってけない。そんな世の中に直面した今の思いを残しておこう。
妊娠と仕事と育児
育児は家庭だけでは難しいと思う。なぜなら、日本での一般的な育児負担は明らかに女性に集中してしまっているから。
もちろん例外があることも承知しているし、それ自体を負担に思っていない女性もいると思う。
でも、私が初めて子どもをもうけて出産して実際に育児をしていく中でこんなにも人生は大きく変わってしまうのか、と実感したことをまとめる。
まず、妊娠がわかったのは結婚前のことだった。結婚、妊娠、出産という世間一般の順番とは違う形でスタートした私たちはお互いの人生が目まぐるしいスピードで変化していったのだった。
結婚前に妊娠が発覚し、女性ばかりの職場で勤務していた私は、体調などの問題は特になかったが早めに妊娠報告をすることにしたが、上司からのおめでとうという言葉とは裏腹に不穏な表情で、「オーナーに話してみるけど(仕事)辞めることになると思う」と言われたのだった。
妊娠したら退職が決定
妊娠報告から3日後、会社を退職することになった。
今まで妊娠を報告して仕事を続けられた人はいなかったそうだ。なぜかは正直わからない。
わからないが、実際に続けられる仕事ではないことは確かだった。
エステティシャンという仕事で肉体労働もあり、時間拘束もかなり長かったし、休憩という休憩がないのも日常茶飯事だった。
そんな中で妊婦さんに優しくできる職場であるはずがない。だから実質クビだったのだろう。
退職の日はなんともあっけなく、馴染みのお客様に報告する間もなく、やけにわざとらしい豪華な花束を頂いた。
もちろん、しかたないことだと理解はしていた。
結婚、妊娠という正しい順序を歩めなかった自分の責任でもあると思ったし女性が働くというのはそういうことだという気持ちもあった。
人生のどこかで結婚したり、妊娠したり、仕事を長く離れないといけない時間があるのが女性なんだと理解している。だから突然の退職でも人生のステップとして必要だったのだと思う。
でもこれって基本的に女性だけなんじゃないか?
理解はしているけど、こんな変化があるのは基本的に女性だけなんだ、これはどうにもならないことなのか?
この世の中的に当たり前になっていることを男性がそういうものだと納得しているのは違うくないか?と思う。
当たり前なのだろうか?女性のキャリアが途絶えることは。
もちろんその際の仕事選びや職場選びに問題があったのかもしれないが…
極論じゃあ簡単に妊娠なんてするなよ、っとなりそうだが。
(その自分の年齢は28歳で正直早すぎると言われる筋合いはない年齢だと思う。)
この時点で職を簡単に失うわけだが、妊娠中に仕事を探すことはさらに困難なことだ。
実際のところ簡単に見つかり、順調に働くことができたのだが、それは本当に偶然にすぎなくて、妊娠中に起こるさまざまな体調の変化の良し悪しは人それぞれだからだ。
比較的、私の場合は良好で常に何かを食べたり、酸味の強い飲み物を摂取したりするだけで大丈夫だった状態で、コールセンターという職に就いたおかげで(さらには軽めの飲食OK)という条件のため乗り切ることができたが、妊婦であるということは採用してもらう際に正直に話すことはできなかった。絶対に落ちると思ったから。
働く理由はお金のため
妊娠し、仕事をクビになり、結婚に至ったけどそれでも働く理由は独身時代に購入したマンションのローンを支払うためだった。とにかくローンの引き落としまでにはお金を用意しないといけないという思いだけだった。
自分の城を手放したくなかったし、家がすごく好きだった。
快適な家でのんびり過ごしたい、この家のために働くと頑張りつづけた独身時代だった。
だから結婚が決まった当初、私は持ち家(ローン)に住んでいて、夫は横浜に住んでいた。
だからしばらくは妊婦でクビになりながらも仕事を探し、ローンを払い続けていた。
結婚するにあたりきっとバイトの身分の私が夫の元にいくのは当たり前のように思っていて自分の城であったマンションも売りに出した。
タイミングがよく、5年目だった新古のマンションだったので条件良く2か月程度で売り手が決まった。本当に好きだった家だったし、独身時代の自分を支えてくれたマンションだったので別れはすごく悲しかったし、もう自分で家を買うことはできないだろうなという思いに少し悲しくなった。
自分のアイデンティティーの一つに23歳でマンションを購入して住んでいるというのがあったのだと思う。
正直ローンから解放されたというのは楽なことだったけど、もともと仕事のモチベーションが低い私としては働く意義がなくなってしまった気持ちだった。
この時点でも人生ってなんでこんなにも簡単に変わるのだろうか、と思った。
ずっと離れないであろうと思っていたマンションから離れて、見知らぬ土地の横浜に引っ越すことを自分では全く予想していなかった。
見知らぬ土地での暮らしは楽しさが30、さみしさが70ぐらいだった。
知らない土地に夫とももちゃん(チワワ)だけ。そして自分は妊婦。
夫は慣れ親しんでいる土地で、ほとんど変わらない生活。
今、考えると常に精神的に病んでいたかもしれない。
急激に変わる生活に戸惑っていたし、変化していくのは自分だけでそれに寄り添ってもらえない孤独感。
もちろん結婚したばかりでそんなことが伝えずに理解してもらえるはずもないし、一つ一つの変化だって相手にとっては取るに足らないこと、というかそこまで大きなことではないのかもしれないが、妊娠して人生が大きく変わるのは一般的には女性の方だとここでもそう感じてしまう。
それを当たり前に思わないでほしいというのが、私の考えだ。
このことを当たり前に思ってしまうとそれでこの話は終わってしまうから。
育児の大変さ
育児は誰が教えてくれるのか?
見本、お手本無数に存在するが(自分の母親や周りのお母さん方)基本的には正解不正解はない。
常に正解がわからない状態で始める育児はまったなしである。なぜなら自分がやめてしまったら赤ちゃんは死んでしまうからだ。育児において母親のプレッシャーは計り知れない。
母親である責任は常に放棄できないのだ。育児において男性側はどこまでその責任を感じているだろうか、特に赤ちゃんが生まれたばかりにおいて実際に男性側が育児にあたる時間が短すぎるのが問題だと思う。
自覚も責任意識も男性には突然訪れる。(お腹で育ててないから?)
父親も、母親もだんだんとそうなっていくものだとは思うが、育児のスタートにおいて育休を取ったりできる男性はどれだけいるのだろう、果たして育休だけで足りるのだろうか?
もちろんどちらかが働かなければお金は生まれてこないわけで、生活していけないのだけど…
つまり仕事をしていない(できない)だけで女性が子育てのほぼすべてを担うことになる。
それっていつ父親に成長していけるのだろうか?正直父親とは名ばかりの男性は多いと思う。
実際に夫も父親になってきたのは最近のことだ。まだなりきれていないと思うが以前よりはかなり父親に近づいてきている。
変わらざるを得ないのが女性で、だんだん変わってくるのが男性なように思う。
育児の大変さは生まれて最初はかなり精神的に消耗し、だんだんとまた別の状態へと変化していく。
育児はどの段階においても母親一人でできることではないと正直思う。
だからといって夫婦だけで完結できるものでもないと思う。
子育ては社会とのつながりが重要で、家族間だけで済む話ではないと思う。
すべての子どもが保育園に行く必要もないが、社会とのつながりが少なく、夫婦だけでは足りないと思うからこそ保育園に入れたいと思う。
それ以外にもお金の問題だ。日本人の多くが共働きを選択している理由にこれから将来にお金の問題がある。働くためには子どもを預けなければいけない。
預けることができなければ、働いている人がさらに働くしかない、そうなるとまたどちらかに育児の負担が集中する。この悪循環がすべての問題の根源だ。
片方に集約しすぎているということ。仕事も育児もお互いがバランスよくできれば家族で社会で育児ができるのに。
一般家庭では外注が難しい
例えば育児が大変な時に家事を外注する、仕事の時間を確保するためにシッターさんを雇うなどどちらかができないところを外注する、それが一般家庭では難しい。
できるできないの線引きもできない。すべてにおいては頑張ればできるからだ。
ただ両方を完璧にできる人がいれば、どちらもまあまあにできる人もいる。
だからこそ無理してしまうし、夫婦間のもめごとにつながってしまう。
具体的には自分のことは自分でやってくれと思いながらも、それを片づけることはやろうと思えばできてしまうのだ。だからこそ手伝ってほしいし、自分でできることはなんなのかできることをやってほしいのだが、ほんとに不公平だと思わざるを得ない事態がよく起きる。
お互いの得意不得意があればそれを素直に外注してしまえばいいだけの話なのだが実際にはそれができないのが現実だ。
そしてたまに冗談でも言われて傷つくことは、「みんなはやってる」だ。
なんで同じようにしないといけないのか?できないことを頼るのはいけないのだろうか?
その助けを求めれるのはパートナーだけなのではないの?そんな風に思うことがある。
こんなことが起きないためにお互いの当事者意識を強くもてるようにならないといけないと思う。
仕事が大変か、育児が大変か、なんて話じゃない。
お互いが当事者にならないと理解できないのだ結局は。
だからお互いに働いて収入を得る必要があると思うし、お互い同じだけ育児に向き合ってほしい。
そんなためにも今の状態でいつまでも保育園に入れなのはだただたお互いが消耗していくだけ。
今は横浜から地元の関西に戻ってきてかろうじてお互いの両親を頼れる環境ではあるが結局は両親に頼るのも私の場合は精神的に負担ではある。
週3でパートに出ることはたまにのことではなくなっているから。
これが保育園に入るまでいったいいつまで続くのか、もしかしたら3歳まで無理かもしれない。
そんなことを思うとどうにか今の状態を変えなければと思うし、それを思ってほしい。
認可外の保育園も視野に入れて考えていかないといけないが、そうなるとまたお金のために働くというのが本末転倒になりかねない。
なんでこんな状態なのか?世の中お金がないと子育てもできない状態になってくる。
きっともっと大変な状況の人はいると思うけど、子育ての悩みは幅広い。
子育ての悩みは夫婦間の悩みにもなるし、お金の悩みにもなる。
こういう人が割かし多いから少子化は進んでるんじゃないの?
違うの?こんな状況でぽんぽん子どもたくさんもうけたい、育てて行けるって確信してる人の方が少ないんじゃないの?
まとめ
- 保育園に入れたい
- 女性のライフスタイルの変化がでかすぎる
- それを男性が当たり前に思いすぎ
- お金があれば外注してる
- 働けないとお金が足りない
自分の人生は自分のものであるけど、親になったからには子どもの人生も担っている。
だからこそ毎日悩んでいるし、考えている。
それを一緒に悩んで進んでいけるパートナーでありたい。
時間は毎日同じではないし、毎日こなしていくだけでは変化は起きない。
新しいことを始めたり、今のやり方を見直したり。
仕事だけにそれを当てはめていませんか?仕事では結果を出すために分析して改善して結果を出していても、私生活でそれができていなければそれは日々をただ無駄にこなしているに過ぎないかもしれません。
今回私の個人的な経験を元に保育園に入れたい母親の事情をお話ししましたが保活で頑張っている大半の人たちが女性のライフスタイルに何かしら悩んで行動しているからこそ、保育園に入れたいのだろうと推測されますし、どうにか世の中の子育ての考え方や、制度が変化していって子育ても仕事もしやすい社会になってほしいと願しますし、今の私たちにはどうしていくのがいいのか考えて悩みながら進んでいきたいと思います。
今回、男性は、女性は、というくくりで話をつづりましたが、みんながそうではないとは理解したうえで自分の経験に基づいてのことですので、不快な思いをされたらすみません。
とにかく私が言いたいのは、母親の生活の方が大幅に変化しとんねん、家族養うためって理由だけで仕事しかせぇへんのは育児放棄にほかならへんからな!
仕事と育児どっちが重要ってことちゃう、どっちもお互い頑張っていくことであってどちらかだけで満足すんなよってことです。
と、まぁそんな感じで私も育児も家事も仕事も頑張っていくために早く保育園に入れてベイビに満足な社会性を身に着けさせたり働いたお金で旅行に連れて行ってあげたり、習い事させてあげたりしたいよってことです。
みんなで豊かになっていきたいですね。